二十年ぶりによんだ
にんげんほどみにくいものはない、とおもう。にんげんに対してたたかった一人の少年に拍手。わたしだったら、りゅうから相談されてもよい案がおもいつかないかもしれない。ひとつ引用したい。「『だけど、いつでもきまって、りゅうはあらあらしくって、ひとをたべようとばかりしていたんじゃないかい?』『ばかばかしい。』りゅうは、いいました。『騎士(きし)が、りゅうのことをふつうのひとたちに、そうおもわせたのさ。だって、そうすれば、りゅうがりにいく騎士(きし)のことを、ほかのひとたちが、ゆうかんだってかんしんするからさ。』」(70-71頁)みにくい十字軍をわたしはおもいだす。りゅうがにんげんの少年にそうだんにいった、ということに、てきのなかにもみかたはいるものだ、とおもう。寓話的な挿絵も印象的。現実は立体だ、というわが師石井としかつさんの信念を思い出す。私が本書を初めて読んだのはたぶん二十年以上前だが、話は忘れても、絵だけは印象に残っている。
池田市立図書館書評
ルース・スタイルス・ガネットさんがさく、ルース・クリスマン・ガネットさんがえ、わたなべ しげおさんがやく。
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